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 ◆秋の七五三特訓と現場を体験して


  七五三は、子供の成長を祝い11月15日に行われる年中行事です。
 最近は11月中に家族の都合の良い日を選んでお祝いしています。
 起源は古くからあった『髪置き』3歳、『袴着』5歳、『帯解き』7歳の祝いにさかのぼります。

  
特訓1日目は、7歳女の子の着付、帯結びは花寿を手結びで仕上げます。
 
2日目は5歳男児の袴姿。着崩れしない方法を学びます。

  子供の着付は、楽しい雰囲気を作りながら進めていきます。
 話しかけて苦しくないかどうかを確かめ、子供の気分を和らげると着付けしやすくなります。
 腰紐の当て方、締め方も身体への負担を掛けないようにして素早く着付けていきます。

  男児の袴も手際よく着付けないと遊びだしてしまいます。
 お稽古では体型の感覚をつかみ、コツを学んで実践に役立てます。



普段のお稽古とは別に、七五三のための着付特訓が2日間の日程で行われました。
特訓を受け、着付の現場を実践された方々の体験記です。

  

    『普段、振袖の着付けを勉強しているから』と軽い気持ちで講習に臨みましたが、
   成人女性の着付とは違うところ、裾除けの丈は短めに、長襦袢の衿は抜かずにしっかりと衿合わせ、

など一つ一つ勉強して子供用にボディーに着せてみると手順だけでなく
身体の小さい子供に対して、自分の立ち位置であったり、態勢であったり、
着物の下前の衽の折り返す量であったり、
しごき帯の巻き方、結び方、体格に合わせての幅の整え方、
帯結びの型などなど想像していた以上に難しいことを実感いたしました。

実際、現場に行かせていただいてみて、
3歳児、7歳児の作り帯、結ぶ帯と3名着付けをさせていただきました。

お子様に着せるのは初めてなので非常に体格が小さく感じ、
紐の位置、強さなどむつかしく思いました。

着物に慣れないお子様に「きつい?」と聞くと「きつい」と答え、
「だいじょうぶ?」と聞くと「だいじょうぶ」と答えるので
その判断に惑いました。しかし特訓のお蔭で何とか乗り切りました。

大人の着付と異なるのは、お子様が飽きないように短時間にその場の状況を見ながら、
その時に応じた判断ができること。
それにはもう経験を重ねるか、七五三のような年に一度の着付の場合はその都度、
確認の為の講習を受け、しっかりと準備して臨むことが大切ではないかと思いました。



 

  特訓の初日は7才女児、2回目は5才男児でした。

  7才女児の着付は襦袢も着物も小さく、帯は細くかわいらしいもの
 でした。人台も小さく、跪いて着せます。
 振袖の時のような重さ着せにくさはまったくないし、帯も柔らかく締め
 やすいのです。それで、油断したと思います。

  1回目の特訓を終えたところで仕事の依頼がいくつかありました。
 実地で経験を積むのが上手になる第一の方法と思うので、仕事はスケ
 ジュールが合う限り、できるだけお引き受けする方向で考えました。
 7才女児は特訓でやったばかりだし、3才女児は着物も襦袢の紐付き
 帯は兵児帯のようなやわらかいものなので、貸衣装屋さんで一度被布や
 着物を手にとってみれば大丈夫と思って、引き受けました。

  ところが、家で練習しようと思ったら、7才女児の帯結び「花寿」が
 できません!!! 似た形にはなるのですが、確かにどこか間違っています。
 とても慌ててしまい、レッスンの時に担任のK先生に泣きつきました。
 先生と一緒に復習してなんとか結べるようになりましたが、できないことが
 わかってからレッスン日になるまで身の置き所のない思いをしました。

  特訓の時はできているつもりだったのに、どうしてそういうことになった
 のか原因はノートの取り方が悪かったためのようです。
 帯結びのためのノートには手とたれの区別を入れておくのが大切とK先生
 から指摘されました。
  わたしは黒の鉛筆で図も入れて書きましたが、手とたれの区別が入って
 ないので、習いたての時はよくても時間がたつとわからなくなってしまった
 わけです。

  さて、初めての本番は、帯結びはしっかり復習したとはいっても、
 やはり少し不安でしたが、ほっとしたことに帯はすでに形ができあがって
 いる物でした。
 それでも、肌襦袢はあるけど裾よけがないし、着物は羽織らせてみると腕が
 にょっきり、身幅も不足だし丈も足りなくて大人並みのおはしょりがやっと
 できる程度。またまた慌てました。

   「クラスでは背が高い方?」と尋ねると、うなずきます。
 苦しくないようにとは思うのですが、身幅の不足からはだけるのが心配で腰紐を
 ぎゅっと結びます。「少し苦しい」と小さな声が聞こえてきたので「きれいにな るのは大変なことなのよ」と話しかけました。
 できあがった時にわたしが脇にのいて、鏡を見せると、にっこり笑顔になったのが救いでした。

  これからも実地ではいろいろなハプニングに遭遇すると思いますが、多くの経験を通して慌てず騒がず適切な処理ができるようになりたいと
 思っていますが、そのためにもっとも大切なのは技能の基本がしっかりしていることでしょう。
 レッスンで基礎を固め、その基礎を経験によって固めていくということだと思います。今後もいっそうの努力が必要だとしみじみ思いました。



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